仙台東中田|F家様 ― 想いを受け継ぐ“最期のひととき”

不安と向き合いながら、静かに始まったご相談

ご相談者様は、入院中のお母様の容体について「そろそろ覚悟をしてください」と医師から伝えられた直後に、ご来館くださいました。95歳というご高齢のお母様。これまでご家族を支え、穏やかに暮らしてこられた方でした。「これから何をすればいいのか」「どんな準備が必要なのか」と、戸惑いと不安の中でのご相談でしたが、その声には“母をきちんと見送りたい”という強い決意が感じられました。

お母様を想う気持ちと、ご家族の準備

ご家族は約20名ほどの親族での葬儀を希望されていました。菩提寺は遠方でしたが、お墓もすでに整っているとのこと。ご住職とも事前に相談を進めておられました。費用面を気にされていたため、スタッフはプランの内容と、追加費用が発生する項目について丁寧にご説明しました。会食は控えめにし、代わりに持ち帰りのお弁当を準備する方向で調整。また、会館安置と自宅安置の違いを比較しながら、費用や環境を踏まえて最適な選択を検討されました。「安心して見送るために、今できることをしておきたい」というお言葉が印象的でした。

繰り返しの相談で深まる安心感

後日、再びご来館いただき、プランを変更し再見積もりを実施。「ご住職から四十九日は別の日にと言われたけれど、遠方の親族の都合も考えると当日に行いたい」というご相談には、“繰り上げ法要を当日に行い、納骨を四十九日に合わせて本堂でお参りする”という形をご提案しました。また、遠方からの親族が多いことから、持ち帰りの法要料理に不安を感じておられたため、保冷バッグ付きの折詰や、カタログ式返礼品のご提案を行いました。ポータル系の葬儀社や他社も比較検討されていましたが、最終的には「ここが一番安心できる」との言葉をいただきました。

お見送りの日 ― ご家族の絆に包まれて

葬儀当日、ご親族が久しぶりに顔を合わせる場となりました。スタッフはご予算を考慮しながらも、必要な部分にしっかりと寄り添う形で進行をサポート。「せっかく集まれたので写真を撮りませんか」との提案に、ご家族の皆様が笑顔を見せてくださったことが印象的でした。葬儀後には「安心して任せられました」とのお言葉をいただきました。

最後に ― “想いを伝える”という準備

S家様のご相談を通して感じたのは、「準備する」ということは“誰かを想うこと”だということでした。お母様のためにと懸命に考えるご家族の姿は、まさに“愛の形”でした。葬儀とは、悲しみの儀式ではなく、感謝を伝える時間。そして、そこに集う人々の想いをつなぐ場でもあります。私たちは、これからも一つひとつのご家族の物語に寄り添いながら、“心に残るお見送り”をお手伝いしてまいります。